オルフェーヴルの引退レースとなった今年の有馬記念ですが、まさに唖然とするような強さを見せる圧勝で、劇的な最後を飾りました。ここまでオルフェーヴルは、3歳3冠をはじめG1 5勝を積み重ねてきましたが、最後にもっとも強い姿を見せて、改めて現役最強を印象付けました。
その強さへの期待は、1.6倍という単勝倍率にあらわれていたと思います。これは過去の有馬記念では、85年のシンボリルドルフ、94年のナリタブライアン、06年のディープインパクトの1.2倍に次ぐもので、ある意味勝って当たり前という評価でしたが、その3頭よりもインパクトのある勝ち方といえるのではないでしょうか。
レースでは、オルフェーヴルはいつものように馬群の後ろの方につけ、当面の敵といえるゴールドシップをマークするように進みます。動き始めたのは3コーナーの手前。外をぐんぐんと上がっていくと、4コーナーでは馬なりのまま先団につけ、そのまま直線では先頭にたって、あとは離す一方。
ダービーや菊花賞で常に2着に退けていたウインバリアシオンに、なんと8馬身差をつける圧勝でした。
現役最強を決める有馬記念では、中長距離が得意な多くの実力馬が集まるので、そんなに差がつくことは少ないのですが、今年の8馬身は2003年のシンボリクリスエスの9馬身に次ぐ大差で、シンボリルドルフの4馬身やナリタブライアンやディープインパクトの3馬身差をはるかにしのぎます。
まだまだ最強馬として現役を続けられる力をもっていながら、オルフェーヴルの競走生活はこれで終わります。これからはどの馬が強い馬として日本の競馬界を引っ張っていくのでしょうか。
また新しい楽しみが始まります。